主催は「核・原子力のない未来をめざす市民集会」実行委員会、原子力資料情報室と東京・生活者ネットワークが協賛団体です。ちょうど1年6か月まえ、第1回目が開かれたときには予想しなかった、原発震災の現実のさなかで開くことになった2回目は、「3.11以降を私たちはどう生きるか」がテーマ。
「原発震災の原因は津波ではなく人災」「都合の悪いことは想定しないのが日本の原発」—。もと原子炉圧力容器の設計技術者だった田中さんの言葉に何度も凍りつきました。
「事故のプロセスには人(運転員、現場作業員)が不可分に絡んでいる」、また「福島第一で使用されている型の格納容器は耐震性が脆弱な可能性」という指摘。「格納容器の圧力がなぜ上昇したのかが最大のなぞ」ということの答えがここにあるのでは、と考えると原発の恐ろしさがもうひとつ見えたと思いました。
そして極め付けは小出さんが講演の中で話した「日本が原子力を諦めない本当の理由」。技術に「平和利用」も「軍事利用」もない、あるのは「平時利用」と「戦時利用」。つまり「技術を持ってしまえばいつでも軍事に使える」ということ。
なんてことだろう、と思いました。やっぱりそうだったんだ。原発がこれまでにつくってしまった放射能は広島原爆110万発分にも相当するのだそうです。それを「平和利用」のためと信じてはいけなかったのです。
小出さんへの質疑のコーナーの最後に、福島から神奈川に避難しているという女性が発言しました。5歳の子がいる、とその人が言うと会場内が静まり、水素爆発の起こった3月15日に自分たちの身に感じた異変についてその人は述べ、「被爆では」と質問しました。
小出さんの答えは「本当のところはわからない」ということでした。けれど私たちはその人の不安を思うと切なさに胸がつぶれそうでした。小出さんの講演の結びは「原子力を選んだことに責任のない子どもたちを守ろう」。
中手さんの「福島ネットワーク」への支援を、として会場で回したカンパ袋に集まった約40万円と、田中さん・小出さんの本の売り上げを併せて「福島ネット」に贈られることが報告されました。