区はNPO等との対等な関係で「新しい公共の場づくり」を

6月議会の一般質問より④

新しい公共支援事業は、区の「協働」に対する認識が問われるものになるはずです。しかし、市民活動団体からは、区の所管や職員の認識がさまざまであったこと、大企業への民間委託から小さな任意団体との協力関係までが十把ひとからげに「協働」の実績としてカウントされることへの違和感などから、不満の声が出ていました。

新しい公共支援事業の実践を通して区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えます。また、この事業を推進していくことは区政全体にわたる政策的な課題ととらえるべきものと考えます。

NPO支援センターが6月14日に開催した「新しい公共を考える—分権時代の協働のまちづくり—」と題する講演会。行政とNPO・市民活動の協働が地域社会を活気づかせていくヒントを得られる内容だったと思います。区の職員もかなり参加していたので、今後の行政運営に生かされるものと期待しています。

昨年5千人から回答のあった区民アンケートでは、「協働の地域社会づくり」について「参加したい」と答えた人が8割を超えました。今年の3.11大震災を経験した後では、同じ質問に対し「コミュニティの再生」や「地域の人同士のつながり」を願ってもっと多くの人が肯定的な回答を寄せるのではないでしょうか。

震災後の地域には、人との絆を編み直したいと考える人や、社会的な活動をもっと充実させたいと考えるNPO団体が確実に増えている、という実感があります。このような意思を生かすことは市民自治をすすめる原動力になるものです。区長の公約であり、また区にとっては「協働」の実践体験を積むためにも、新しい公共支援事業についての積極的な取り組みが望まれます。