杉並区にあらわれた「スーパーマン」、ランドセルを贈る

予算特別委員会の質疑より①「寄付の文化」

山田区政時代の2年前、「定額給付金」が国の政策として交付されたころ、「寄付文化の醸成」を区長が予算編成方針の中で述べたことがありました。区民に積極的に寄付を募り、寄付した結果を知らせる、寄付した人の名前が残るような新たなしくみの構築をめざして役所内に検討チームができた、ということでした。

でもその後「新たなしくみ」ができたという話は聞いたことがありません。去年から今年にかけて「タイガーマスク運動」と呼ばれるようなブームがおきたことで、寄付の文化に注目が集まったこともあり、区の寄付制度について質問しました。

でもどうやら、杉並区ではすでに3種類の基金のしくみ、「社会福祉基金」「みどりの基金」「NPO支援基金」があるのでこれでいい、新たなしくみはいらない、ということになったようでした。消極的。

基本構想アンケートで5,000通近い回答があり、この8割以上が協働の地域社会づくりに「参加したい」と答えています。この人たちは「いいと思えることにはお金を出す」、寄付してもいい、という意思のある人たちなのではないでしょうか。

杉並区民の社会貢献意識というか、社会的公正なことやモノに対して寄付したいと考える潜在的な意識は高いと思うのです。新しい公共を拡げるためには、その意思を生かす施策が必要ではないか。

また、企業に寄付を促すことももっとあってよいと思います。企業の社会貢献を促して社会的事業者を育てることも重要だと思うし、そういう企業を消費者が選ぶことができるように、寄付した事業者のことを情報公開することも大事です。

杉並区には「タイガーマスク」ならぬ「スーパーマン」からランドセルが10個贈られたそうです。児童福祉施設のおかれた厳しい状況が世に知られた今年、寄付の文化を定着させる年にしてはどうか、と区の認識を問いましたが、不況だし、寄付は定期的に入るわけではないので…と、これも消極的な答えでした。