成年後見センター主催で開かれている杉並区成年後見制度利用推進連絡会には、構成メンバーに障がい者福祉団体からも加わっておられるので、知的・精神障がい者や家族に対して制度の浸透をさらに意識してほしいと思います。
障がい者が被後見人となる場合は、後見人は障がいごとの特性を理解しておく必要があるので、成年後見センターには障がい者福祉の専門家などと連携した支援が求められます。また、障がい者や家族に接する側の、福祉サービス事業所、ガイドヘルパーなどへも、制度の周知や啓発が必要です。
ところで内閣府「障がい者制度改革推進会議」では、先ごろ、精神障がい者の保護者制度を抜本的に見直す方針が示されました。保護者制度とは、精神疾患の診断がされたら必ず「保護者」をつけなければならないという、精神保健福祉法における制度です。
保護者になる人は、優先順に、成年後見人または保佐人、配偶者、親権者、その他の家庭裁判所が選任する親族、となっていますが、実際には後見人・保佐人にしても親族が受任することがほとんどであり、圧倒的に多いのは親です。
保護者は本人を一生監視し続けるよう強制されますが、その根底にあるのは「精神障がい者は見張っていなければならない」という差別と偏見意識以外の何物でもありません。
いま当事者や家族たちの、保護者制度の廃止を求める声が大きくなっているのは、障がい者の権利擁護の観点から必然的な流れです。そして、これと併行して第三者の成年後見人の登用が進められるべきと考え、区の見解を問いました。
これに対し、「推進会議」で示された方針を支えるしくみとして成年後見制度の果たす役割は大きい、という区の答弁でした。