容リ法の中に、事業者がリサイクル費用を負担する「拡大生産者責任」を位置づけるべき、ということは1995年の法制定の当時から言われていたことで、2006年の改正時にも私たちは大きな市民運動を展開して国に働きかけをしました。
にもかかわらず、リサイクル経費の事業者負担は全体の15%にあたる再商品化費のみで決着してしまい、残り85%が自治体に押し付けられることになってしまいました。最も経費がかかるこの部分は分別収集・運搬、選別・保管であり、リサイクルに熱心に取り組む自治体ほど、その財政負担が重くのしかかることになっています。
杉並区でも、2009年度は7億5,000万円かかりました。
案の定、事業者はリサイクル費用を圧縮するための努力をしようとせず大量生産をさらにすすめ、容器包装ごみが減るどころか使い捨てペットボトルの種類を増やすなどして、大量消費・大量廃棄の連鎖が続いています。
容リ法が制定されてからの15年で「リサイクル」への関心は高まり確かにリサイクルは進んだ。しかし肝心のごみ減量は実現できていない。そのことが意味するのは、「リサイクルの偏重はごみ減量にはならない、資源循環にならない」ということです。
だから私たちは今回、ごみを減らす標語としてこれまで言われてきた「3R」、すなわち「リデュース、リユース、リサイクル」の中から「リサイクル」を外してしまおう、という提案をしています。「3R」でなくリデュース(発生抑制)、リユース(再使用)の「2R」をこそすすめよう、というわけです。
いま区議会あてと国会あての2種類の請願書への賛同署名を募っています。請願の第1は、リサイクル費用負担のあり方見直しです。生産者責任を消費「後」のリサイクルにまで拡大させようということで、これは言いかえれば「リサイクル費用を上乗せした商品価格設定にする」ということであり、消費者にも覚悟が必要です。