「協働の契約」法的整備の検討を

2010年第3回定例会 議会質問より②

   ダンボールで作るコンポストの講習会 9/12
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区長のいう「新しい公共」の発想とは何か。鳩山前首相が内閣府に設置した「新しい公共円卓会議」によれば、「新しい公共」は「支えあいと活気のある社会」をつくるための当事者たちの「協働の場」である、とされています。区長のいう「新しい公共」もこれと同様だそう。

ならば「協働」に触れないわけにいきません。私は区の「協働」のとらえ方には違和感があり、検証が必要と感じてきました。「協働」は行政とNPO・市民が対等な立場のはずなのに、杉並区の実態はそうでなく、行政優位になっています。

2005年から3年間実施された協働事業提案制度は、市民と行政の協働の実践として実験的な意味も持つ事業でしたが、きちんとした検証や総括が行われないまま終了されました。事業の当事者や区民も含めた検証が必要でした。

一方、協働事業の発展的施策と区が説明した民間事業化提案制度は、始まって5年目となる現在、民間事業者にビジネスチャンスを提供する性格が顕著で、私たちの考える市民と行政の協働とは異なっています。

行政とNPOの関係を「事業の発注者と受注者」という上下関係だけでとらえていると、新しい発想が広がっていきません。「委託」でも「補助」でもない、対等、自主・自立の関係を担保する規定整備が必要になっていくと考えます。

杉並区では、このような考え方に基づく「協働ガイドライン」を2004年度より定め、毎年更新してきましたが、十分生かされないどころか忘れられたような状況が続いてきました。これまでの「協働」を検証するのはいいことです。ただ、以上の問題をふまえて、協働の一方の当事者である市民が検証する必要があります。

協働の取り組みを推進する計画を策定するとしていますが、併せて、協働にふさわしい契約のあり方についての議論を深めてほしいものです。

区では今般、「公契約条例」についての庁内検討組織を立ち上げたといいます。1年前にその策定を求めた(こちら)者として、前向きな検討を期待しますが、「契約のあり方」を論じるなかでぜひ「協働の契約」も俎上に載せてほしい、と述べました。法的整備として「協働契約条例」について検討してほしいと思います。