5月10日、プラ懇は2年間の活動の締めくくりとして、この提言を広く発表する討論集会を開催。清掃一部事務組合の職員や、杉並をふくむ10区から清掃事業などの担当者、リサイクル事業者なども参加して、市民とともにごみ処理問題を考える場となりました。
提言発表に先立つ基調講演は前安孫子市長の福嶋浩彦さん、現在は中央学院大学社会システム研究所教授です。「市民自治を考える」と題して熱烈かつ過激でしかも挑発的な市民自治論を聞かせてくれました。
いわく、「行政は市民の公共をつくるための道具にすぎない」「新しい公共=市民の公共。実現するには市民の政府をつくる」「地方分権とは市民が国から地方に分権すること。主体は市民」「議会は市民の対話をリードする議論の場」…という。
福嶋さんの市長時代、改革派の首長として杉並区が「自治のつどい」にパネリストの一人として呼んだことがありますが、そのとき同時にパネリストだった山田区長が2月の区議会で「市民自治という言葉は聞いたことがない」と述べたことと比較してみると、「自治」の概念に大きな差異があることがわかります。
プラ懇提言のうち、ごみ処理の「自治の確立」を求める部分では、23特別区政府や清掃一組、区長会、東京都という各組織のありかたについて、根本からの見直しを迫る内容になっています。
ごみ問題が、技術の進歩や莫大な資金の投入、長年の実践の蓄積などをもってしてもちっとも解決できないでいるのは「自治の未確立」に原因がある、とする議論はこれまでされてこなかったと思います。その意味で、今回の提言は市民の活動の結果としてなされたことと併せ、画期的なものではないでしょうか。