学校給食費が公会計でない不思議

予算特別委員会の質疑より⑤

学校給食費について神奈川ネットワーク運動の横浜市議、若林智子さんがHPに書いていて(こちら)、なるほどと思ったので私も質問しました。

給食の運営経費は区が負担、食材についての負担は保護者が支払う、それが給食費です。保護者の支払う給食費はすべて食材費に充てられます。給食費の額は区教委が決め、学年ごとに違いますが区内の全校統一です。

学校給食は区ごとの事業であり、給食費の徴収は学校給食法にもとづいて実施され、徴収の主体は各学校長です。教育の一環としてすべての子どもを対象に実施されている事業なのに、その会計は区予算に計上されません。

考えてみると学校給食費というのはとても奇妙なしくみです。

収支の把握、現場の責任者は栄養士で会計責任者は校長、ということになります。しかし会計報告はされません。もちろん年度末に栄養士さん作成の収支報告はあり、余りが出れば返すこともあるといいますがそれは正式な決算報告とは違って保護者の承認を受けるような手続きはない。学校の規模によっては年間1千万円以上にもなる事業なのに。

公会計ではないからです。法的な裏付けがなく、保護者と学校の信頼関係の上に成り立っているシステムです。

よその自治体では給食費不払いが多発し、収入が足りないと給食の食材が買えないのでその分を校長先生が自腹を切って補てんしている、などということが報道されますが、支払うことが義務ではないから、そういうことはありうる、と考えてしまいます。

訴訟や民事調停が入るケースもあるようです。当区ではそういうことにはならずにすんでいる、ほぼきちんと納入されている、というような区の説明なのですが、ゼロではないしこれから起きないとは限りません。

横浜市では議員提案で「学校給食費条例」を議会に提案したそうです。今回は継続審議とのことですが、今後の展開に注目です。