子ども読書活動計画にYAと学校司書を位置付けて

2008年度決算 特別委員会の質疑より④

井の頭池からすぐの神田川で遊ぶ子どもたち 10/11夕焼け橋から
井の頭池からすぐの神田川で遊ぶ子どもたち 10/11夕焼け橋から
杉並区が来年度から6館の図書館で導入しようとしている指定管理者制度。9月30日締め切りの事業者公募には7業者の応募があったそうで、この中から選定委員会が選ぶことになります。この件に関して質問しました。

区の方針は阿佐谷、永福和泉、高井戸3地域の各2館ずつを一組とし、同じ業者が2館を受けることとしています。これは事業者にとってはスケールメリットが期待できても、小さい事業者にとっては参入がむずかしいやりかたです。

以前、あるNPOが図書館の業務委託を受けることにいったん決まりながら退いたことがありましたが、もうNPOの応募の可能性なんて想定しないということでしょうか。しかも、応募要領を見ると1事業者が3地域6館すべてを受けるのも妨げないことになっています。

3つの事業者が選定されるのなら、区内の図書館間で連携していかなければならないのに民間のライバル社同士がうまくやっていけるのか、と思うし、1事業者だけがもし選定されるのだとしたら、それは大企業しかありえないことで、区との癒着が疑われることにならないのか—。

以上のような質問への答弁には納得していません。

ただ、学校図書館の司書については、今年度の11人雇用を来年度も継続し、その状況を見て次々年度から拡大することを検討している、ということが他の委員の質疑で明らかになりました。これは朗報。

また、いま改定作業が進行しているはずの「子ども読書活動推進計画」について、学校図書館司書の位置づけとヤングアダルト(YA)図書の取り組みを明記してほしい、と提案しました。でも区の反応はいまいち不明。

13歳から19歳までのYAをどのように図書館へ引き寄せつなぎとめるか、気が利いてさり気ない、選書や配架の工夫が求められる、そこに館の識見が現れる…と図書館好きの知人はYAコーナーの重要性を語ります。

そしてその人は「指定管理になってしまったら、図書館にそういう『質』を求めることは難しくなるのでは」と顔を曇らせていました。