ちょうど今、2016年の開催候補地に名乗りを上げている東京に、国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーが視察に訪れていますが、身近なところで東京五輪に期待する声を私はほとんど聞いたことがありません。
「環境に配慮」「世界一コンパクト」がウリだそうですが、もし環境を優先するなら、五輪開催にかける莫大な経費をもっと別のこと、たとえば再生可能エネルギーの思い切った導入拡大や、里山保全、下水道事業などの課題に振り向けるべきなのであって、オリンピック開催が環境改善に貢献できるかのような宣伝は都民の目をあざむくまやかしにすぎません。
だいたい、なぜ東京にオリンピックなのか、一度も納得のいくような説明を受けていません。それなのに招致活動に150億円がすでに使われている、と人に話すと必ず返ってくるのが「もったいない!」という言葉です。
いつぞやは水泳選手がキャンペーンに駆り出され(こちら)、今回は視察団歓迎に、また案内係にとメダリストたちが動員されていますが、だからといって東京にオリンピックをという要望が高まることにはなりません。
そうなんです、知事。あなたがご自分で夢見ることは自由ですが、私たちはそれにつきあう余裕などないし、私たちが払った税金をそのために浪費するのはやめていただきたい。
もし万一ほんとうに開催することになれば、その費用は兆を下らないといい、ましてそのために外環道を造ろうなどというのなら、私たち都民は怒りと恥ずかしさで身の置き所がなくなります。
写真 五輪カラーでライトアップされた都庁舎