同じ人が専任でいることが大事なのに「巡回」とは? 1年だけの「緊急雇用」? そんな位置づけで成果は出せないと思い、特別委員会で質問しました。質問して分かったのは—。
巡回といっても拠点校が基本で、順番に各校を回るというようなことではなく要望があったときに他校に赴く。待遇は時給1,330円、1日6時間、週5日勤務の非常勤職員。
人材は6・7月に有資格者の募集を行い7月後半に選定、8月半ばに採用決定し9月から来年3月末までの任用。「すぎなみ地域大学」で実施する6回講座はそのためのプログラムだが、受講すれば必ず採用ということではなく、また応募の必要条件でもない。
4月から始まる「地域大学」の講座には20人の募集に対しすでに47人もの応募があるといいます。反響の大きさは、この取り組みが期待されているということです。また杉並区がどのように人材を処遇するのか、という点でも実は注目されています。というのは、学校図書館司書の待遇はアルバイトや非常勤職など不安定な状態にあることが多いからです。
しかしだからといって杉並区がこれで満足していいことにはなりません。学校司書の処遇をどうするかは、区の図書教育に対する見識が問われているといっても過言ではありません。
どんなに有能な司書でも、1年だけやってみましたというような配置では成果は期待できないし、継続していくことが重要です。区は「実施してみて成果と課題を検証し、ボランティア育成にも努めて充実を図る」といいます。11人に対するサポートも不可欠と思い質問すると「済美教育センターの中に体制を整えたい」。具体的に整備も始まっているようです。
初めは11校でもいずれ全校に広げていくべきで、何年間で全校配置するのか実行計画を立てる必要がありますし、その前に杉並の学校図書館をどうしていきたいのかという描きがほしいと思います。09年度に見直されるという区の読書推進計画にその点をしっかり盛り込んでほしいが、と問うと前向きな答えが返ってきました。
何より、人材については今後も引き続ききちんと考慮する、と教育長が理解を示したので期待したいと思います。まずは一歩。でも大きな前進です。