そもそも、パンと米飯を比較すると、パンは原料の小麦粉がほとんど輸入品であるだけでなく、多くは添加物が入れられているのに対し、ご飯はコメと水だけの無添加食品です。従来パン食が普通であったことのほうが、不自然なのです。
国産食材の日や農協の協力で地元野菜デーをもうけているのも、農業について考えさせる、すぐれた取組みです。食の安全という面からも、顔の見える生産者であること、生産履歴をたどれるトレーサビリティーは重要なポイントです。
5年前、私が議会で初めて質問したテーマのひとつは「都市農業」。区の農業支援のしくみを求め学校給食に区内産野菜の導入をすすめる、という趣旨でした。
当時、市民グループの調査によれば区内産野菜が納入されていたのは小学校17校でしたが、今年は27小学校、17中学校、養護学校1校の合計45校が給食に地元の野菜をと希望し、単発だが希望校には供給されるとのこと。この5年間で学校と農業者が近づいてきたことを実感します。
そこで、先の決算特別委員会で提案したことをあらためて質問でぶつけてみました。区も「杉並と交流関係にある北塩原村でとれたコメを学校給食に」と検討中といいます。ならば、そこに農業体験も、大人の農業講座も!
世田谷区は「区民健康村相互協力に関する協定」を群馬県川場村との間で締結し、その中に23区で唯一、農業協定を加えています。「健康村里山自然学校」という交流事業に「農業塾」が組み込まれ、「野菜づくり入門コース」「棚田オーナー」など、まさに私が指摘したことが世田谷区民向けに行われています。
風光明媚な景色を愛でるだけの観光ではない、当地の自然の特性や農・林・水産業の特徴を生かした体験型観光、グリーンツーリズムを自治体が事業展開するケースも全国に増えてきました。杉並発で、こういうことができるのでは?
区に見解をたずねたところ、区長が答弁に立ち「大賛成です!」と。熱のこもった答弁で、今後の実現化に期待がふくらみます。
写真 ミニフォーラム「学校の悩み 話し合いましょう」では、給食のこと、校庭の芝生についてさまざまな意見が出されました 11/20