どう進める?環境教育としての「エコスクール」

「だれが、どのように」が課題—議会質問より④

区は、建築や環境問題にかかわる学者、専門家、市民活動団体代表、小中学校の校長などをメンバーとしてエコスクール化検討懇談会を設置し、昨年の報告書に続いて第2次検討報告書を先ごろ出しました。

1年前の報告書は施設のハード面が主でしたが、第2次は「既存校のエコスクール化」と副題にあるように視点が変わり、「エコスクールは施設と環境教育、環境配慮行動の3本柱」ということがつよく打ち出され、賛同するものです。

今年改定された教育ビジョン推進計画において、重点事業にあげられている「エコスクールの推進」がこの3本柱を指していることは申すまでもないとして、重要なのは「だれが、どのように」という、その推進体制と進め方です。

環境教育は授業の内容にかかわっていくことであり、知識や経験のある人が身近にいない学校現場では、その進め方についてとまどいや混乱が起こりがちであり、完璧なマニュアルがあれば万事うまくいくというものではありません。

これについて、報告書では環境学習を担う推進組織を、学校、学校外の専門家、環境教育推進のためのコーディネーターで構成する、「たとえば環境教育推進委員会」として具体的に提案されました。

一方区内の小中学校では、これまでもエコスクール推進事業として保護者、地域の人たち、環境活動NPOなどの協働による環境教育が実践されてきました。その活動を、推進体制を考えるうえで参考にすべきと思います。

このように考えてくると、済美教育センター、杉並教育研究会の環境教育部会、区内の環境教育・エコスクールづくりの学習に関わっている環境団体、まちづくり団体、などが協働する形での体制がつくられることが望ましいと考えます。

区に見解をたずねたところ、「当面はそれぞれの関係機関が連携を深めていくことが重要」との答え。体制づくり自体がいまの課題、と区は認識しているようです。

写真 杉並ネット子ども部会 9/22