そんななか、小規模事業者から悩みの声が聞こえてくるようになりました。事務処理作業や資金力不足など、大規模な会社組織や法人などでは問題にならないような些細なことが、小さなNPOにとっては負担になっている、と。
大量の事務作業に追われてしまう、サービス当日には現金が入らず決済が翌月や翌々月になってしまうとその間の資金繰りがむずかしい、利用者とのトラブルが発生したときの対処法のノウハウをもたない、などの問題がおきています。
これらが負担で、ファミリーサポート(自宅での託児)を受けていた人が応援券事業者から降りてしまったケースもあるそうです。子育て応援券事業の目的のひとつは「地域の子育て力を高める」ことであるはず。そしてそれは地域で活動する小さなNPOやグループの子育て支援活動を生かすことでもあるはずです。
「すぎなみ地域大学」卒業生が事業を始めるなど、新しい市民力が育ちつつあるとき、区には小規模事業者に対しネットワーク化を呼びかける、またそのサポートをするなど、支援をしてほしいと求めました。
「利用者が簡単にキャンセルする、そのため本当に必要な人がサービスを受けられない」という声や、「金券」として安易に使われるのを危惧する声も出てきていますが、それで直ちに若いお母さんを非難することはしたくないと思います。
子育て応援券事業の目的、「子どもの最善の利益」をうたったポリシーが事業者向け「ガイドライン」には定められています。これをガイドブックやサイト上などで利用者向けにも発信し、単なる金券でないことをきちんと伝えるべきです。
写真 区役所1階で行われた「平和のつどい」ロビーコンサート 3/10