昨2006年のノーベル平和賞を受賞したバングラデシュのグラミン銀行は、貧困層の女性500万人以上に無担保で融資を行い、生活改善に貢献しました。これまでの金融システムとは異なる方法で多重債務の解決と生活の改善が図られる「銀行」です。
金融庁の改善プログラムでは、このような「日本版のグラミン銀行」的な役割を、生協や地域の協同組織的な金融機関が担うことを期待しています。岩手県では信用生協が設立され、以来30年近くにわたって実績を積み上げてきました。また東京でも同様の目的で設立された民間団体が事業を始めています。
こうしたなか、東京都ではセーフティネット貸付の融資制度を今年中に創設するとしています。多重債務者の生活再建を支援する事業として期待するものですが、融資に関して区としての対応はどうか、今後の見通しを含めてたずねました。
これに対し、区の役割は多重債務者を発見して専門機関につなげ、問題の早期解決を図ることだと考えるので区としては都の動きを見守っていきたい、との答弁でした。
多重債務問題には、家庭内のDVドメスティック・バイオレンスやアルコール中毒などの依存症の問題が隠されていたり、それらいくつもの要因がかかわっていたりするケースが多くあります。解決法は単純でないだけに、身近な基礎自治体でこそ実態に即した対応が可能であり、そうした取り組みが求められます。
世田谷区では職員用の対応マニュアルを作成し、足立区では職員向けの研修会を開催するなど、自治体が支援にのりだしたとのことです。当区においても、問題解決に向けさらに取り組んでいくことを要望しました。
写真 10月14日に環境博覧会すぎなみで発表される、杉並環境賞の投票をする 9/28区役所ロビーで