鹿児島空港からバスで南下すること1時間半、市内の会場に着くと色とりどりのアロハシャツを着た人が目につきます。それもそのはず、パンフには次のような説明があったことに後で気がつきました。
「指宿市では、例年5月下旬に『アロハ宣言』を行い、明るい南国のイメージで観光客を温かくお迎えするよう市民も含め事業所等においてアロハシャツ着用の推進を図っております。つきましては、会議開催中はボランティアを含むスタッフ全員アロハシャツで皆さまをお迎えいたしますのでご了承ください。」
市長はじめ役人も議員も、老いも若きも男も女もアロハシャツ姿、という市役所は、口の悪い人は「人によってはひとつ間違ったらやくざに見える」といいますが、市民にとってはそれだけで身近な感じがすると思います。
天然砂むし温泉で有名な指宿は、観光資源を暮らしの中でも生かしています。鰻(うなぎ)という地区では、温泉熱を昔から「天然蒸し器」として調理に利用してきました。住まいの裏手や道路のすみに掘られた「すめ」(蒸し場)から常時湯気が上がり、うっすらと硫黄のにおいがただよっています(写真)。
むかし鰻地区のお母さんは子どもが学校から帰る時間を見計らって「すめ」にさつまいもをのせ、蒸しあがったところに帰ってきた子どもたちのおやつにしたそうです。私たちも、約6分で出来上がった熱々のゆで卵をいただきました。