杉並・生活者ネットワークの昨年の議会質問では「福祉移送サービス」という言葉を使いましたが、今回再び質問で採りあげるにあたり、サービスを受ける側の立場から、「運ばれる」のでも「送られる」のでもない、「その主体が移動する」という観点から捉えなおし、改めて「移動サービス」と呼ぶことにしました。
70年代半ば、ボランティア団体がおもに車椅子使用者の外出支援をしたことから始まったこの活動は、その後2000年の介護保険制度、2003年の支援費制度導入などを受けた社会状況の変化もあって、「地域に必要とされる事業」として認知されてきたものの、「市民権はまだもらえない」状態が続いていました。
それは、法制度上「自家用車をつかって有償で人を乗せる」行為、いわゆる“白タク”とみなされることによります。ところが昨2004年、国交省より「NPOによる移動サービスのガイドライン」が出されたことで事情が大きく変わりました。
移動サービスの活動が社会に認められ制度上の保証が与えられれば、だれでも・いつでも・どこへでも外出できる社会に向けて大きく前進することになります。
区の「すぎなみ五つ星プラン」に「移送サービスの支援」が新規事業としてあげられたので、具体的にどのように進めていくのか、しくみとして位置づけを検討する際には利用者やNPO事業者など当事者の意見が反映されるように、などの点について質問し、おおむね前向きな答弁が得られました。
「『福祉のまちづくり』の観点から、地域交通政策に位置づけてほしいが」という問いには「すぐにやりましょう」という答弁にならないとわかっていましたが、「いずれ検討したい」とのこと。言うだけでも言っておくのは、大事なことですので。