方針の全体を通して、昨年改定された基本計画・実施計画「五つ星プラン」を具体的に着実に反映させようとするあまり、大急ぎであれもこれも詰め込んだという印象で、多選自粛を公言している山田区長からいずれ別の区長になったらどうなるのだろう、と危惧されるほどです。
確かに、区長の英断とスピードがあってこそ、ここまでの改革が可能だったかもしれない。でもこれからはゼロ成長の時代、新しい価値観に基づく社会を構想しなければ。そこで、自治を醸成してゆこうとするいま、「持続可能」と「スローライフ」を区政のキーワードにしてはどうか、と述べました。
東京・生活者ネットワークが昨年、都内の16歳から30歳までの独身男女を対象に実施したアンケート調査から見えた、若者を対象とする施策の必要性にも言及しました。区の方針には、自立や就業を支援して若者を地域社会に位置づけようとする視点が弱いと感じたからです。
ところでこの調査は、650人からの回答を得て、仕事には満足しているが自由時間がないと訴える正規雇用者、ほんとうに就職できるのかと不安を抱える非正規雇用者、でも総じて社会参加やボランティア活動にも前向きな若者像をリアルに描き出しました。フリーター・ニート・引きこもりの増加など若者の問題は、それを生んでいる社会の問題なので、生活者ネットワークはこの調査結果をもとに今年の都議選に向けた政策を提案しています。
さて、方針ではこれまでの描き方とずいぶん違って、今回は「人を育てる・つくる」ことが特化され、その流れで「教育」への並々ならぬ意欲が強調されています。で、教育行政に関しても質問しました。それについては次回で。