このような歯の構造に合った割合で毎日の食事を食べることが、ヒトという動物の食として理にかなっているのだそうです。つまり穀類が32分の20で約6割、野菜類が4分の1、肉・魚は8分の1だけでよいことになります。
女性たちが地域で起業した保育施設「ワーカーズコレクティブ・保育室モモ」が開いた食育講座は、歯の構造の話から始まりました。そして、日本の風土に合った伝統食が日本人の健康を支える、とのこと。
参加者の若いお母さんが「夕食前に空腹で我慢できない子どもについ菓子パンを与えてしまう、改善するにはどうしたら」と質問したのに対し、食生活アドバイザー・管理栄養士・調理師などの肩書きを持つ講師、竹森美佐子先生の答えは「小さなおにぎりを、楽しんでつくって」というものでした。
阪神・淡路大震災からちょうど10年目の今年、1月17日に合わせて「あの日」を伝えるTVの報道番組で、また先だっての新潟・中越地震での災害に重ねて改めて防災対策を検証する番組などでも、被災者が避難所のテントや仮設住宅で熱い味噌汁をすする場面が何度も見られました。
温かいご飯と味噌汁。それだけでもう、命をつなぐ食として完全だし、希望が持てるような絵になるから不思議です。食べ物によって得られるものはカロリーや栄養だけではなく、おいしいと感じるための条件は素材の質や調理の技術とは限りません。体が必要とする食、体が喜ぶ食というものについて、ときには体に聞いてみないといけませんね。