マンデラ氏の反アパルトヘイトから子どもの権利へ つながる人権運動

12月4日、特定秘密保護法に反対する生活者ネットの遊説、新宿で

高校無償化政策の対象から朝鮮学校が外された問題に取り組んでいる活動グループのリーダー、長谷川和男さんがさまざまな人権活動関係者に呼びかけて、12月14日、「国連・人権勧告の実現を!~すべての人に尊厳と人権を~」集会を開催しました。 

東京都は、朝鮮学校に対し「北朝鮮とつながりの深い機関と密接な関係にある」という理由で、補助金支給を打ち切る決定をこの11月に公表しています。子どもの世界に大人の差別観を圧しつけ、子ども自身にはまったく罪も責任もない大人の事情を口実に子どもの学びを阻害した、誤った政策だと思います。 

石原都政時代にこの人権侵害政策を打ち出しされたとき、知事の特殊な人間性のなせることと思いましたがそうではなかった。後継者たる猪瀬知事は「その路線」をさらにしっかりと進む人だということです。そしてこんな人権レベルの低い誤った施策を講じているのは、東京都が特別なのではありませんでした。 

日本政府は国連の人権条約機関から毎年のように勧告を受けていますが、それを軽視し不誠実な対応をとり続けています。子どもの権利委員会勧告に対する反応のひどさは以前から聞いていましたが、自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会、人種差別撤廃委員会、拷問禁止委員会などに対しても同様でした。 

子どもの権利条約NGOレポートについて基調報告をした荒牧重人さん、朝鮮学校の無償化排除問題の宋恵淑さん、沖縄・アイヌ問題を論じた市民外交センター代表の上村英明さん、アムネスティの寺中誠さん、福島原発被災者の健康問題に取り組んでいるヒューマンライツ・ナウの伊藤和子さん、慰安婦問題を訴えた「女たちの戦争と平和資料館」WAMの渡辺美奈さん…らが各自の活動現場から、人権が軽んじられ侵害されている問題を提起しました。 

みなさんの話を聞いていると、日本はなんと恥ずかしい国なんだ…と思わずにいられませんが、なんだか力づけられてくるのが不思議。250人規模の会場が満席になるほどの参加者の熱気のせい…もあるでしょうけれど、ついに公布されてしまったしまった特定秘密保護法の行使にこれから目を光らせていかなければならないとき、共感できる活動があり人がいる、ということに勇気づけられるからでしょう。

米国からも反戦反差別人権団体「ANSWER」のふたり、事務局長のベッカーさんと国際人権弁護士のバーヘイデン・ヒリアードさんが特別参加し、連帯のあいさつを寄せました。60年代米国の公民権運動、先日亡くなったネルソン・マンデラ氏の反アパルトヘイト運動が日本のさまざまな人権運動へとつながっていることに深い連帯を気づかせるスピーチでした。