高校授業料無償化に所得制限を設ける議案に反対とした
先の都議会定例会の最終日、会派を代表して討論に立ち、高校無償化に関する議案に対して反対としました。
2010年度に導入された高校の授業料を実質無償化する就学支援金支給制度については、親の所得に関係なく等しくすべての子どもの学習の機会を保障するしくみとして、生活者ネットワークは高く評価してきました。
ところが議案は、国の方針転換によってこの制度に所得制限を設けるものであり、一定程度の所得のある家庭の子どもは除外されることになります。それはすなわち、教育の機会均等の理念が外され、低所得者への救済政策に変わるということを意味しています。
子どもの中に分断を持ち込むことであり、貧困状態にある子どもの自尊感情を傷つけることにもなりかねません。
昨年、子どもの貧困対策推進法が成立しましたが、法の下の平等という憲法の理念のもとでの、生存権や幸福追求権と並ぶ学習権を、どんな子どもであっても保障する、という国連子どもの権利条約にのっとった発想がなければ、本当の意味での子どもの貧困問題は解決できないと考えます。
従って、議案には反対としました。なお3月20日に開かれた文教委員会では、民主党会派より所得制限を除外する修正案が提出され、これについては賛成としました。