「原発は人権問題だ」川内原発再稼働に反対!国会前で訴えた
10月から国会前で下水道工事が始まることになり、毎週金曜日に行われてきた反原発デモができなくなるため、8月30日、拡大版の大集会が行われました。私も首都圏反原発連合からお誘いいただき、スピーチに参加しました。
福島の事故以来4度目の夏をそろそろ終えようとしていますが、この間、東電管内では原発の電気なしに全く不自由なく生活できています。現在、日本中で稼働している原発はなく、このまま1基も再稼働させず脱原発を実現したい、と考える多くの市民が、この日国会前に集まりました。
新エネルギー基本計画で原発をベースロード電源と位置づけた安倍政権は、原発再稼働の方針を変えていません。原子力規制委員会は、川内原発の1号機、2号機について、「新規制基準に適合している」という審査書案を了承し、パブリックコメントの手続きも終え、あとは地元が同意すればGOだ、と再稼働にむけた手続きをすすめようとしています。
福島第一原発の放射能汚染水対策も廃炉への道も見えず、コントロールもブロックもできていない中での規制委員会の再稼働容認は許せません。地震も火山噴火の対策もプラント評価もまったく不十分なままで、避難対策も住民理解も得られないままで、再稼働などあり得ません。
そもそも福島でメルトダウン事故を起こしたきっかけは、大地震と津波という、自然災害です。
九州ではつい先日、口之永良部島でいきなり前兆なしに噴火が始まり、火砕流が発生しました。火山と温泉だらけの島、九州には鹿児島近辺だけでも5つ以上の巨大カルデラが存在し、すぐ近くにある桜島は、日常的に噴火、またはその可能性があるといわれています。雲仙普賢岳の火砕流も記憶に新しいところ。もしも大規模のカルデラ噴火が突然始まれば、短時間で核燃料の搬出など実行不能、絵空事であり、破局的事故が起ることは必至です。
多くの火山学者が「巨大噴火の時期と規模を予測することは困難」と認め、火山地帯の原発は欧米基準では「立地不適」とされる。このような条件下で原発を動かしてきたこと、再び動かそうとすること自体が始めから非科学なのであり、誤った選択です。
ひとたび事故がおきれば、命をおびやかし生活を破壊するシステム。原発を存続させ続けることは人権侵害です。そう、原発問題は人権問題なのです。
原発が動かなければ経済が停滞する、というのは間違いです。再生可能エネルギーを中心としたエネルギー体系につくりかえることにこそ、経済の持続可能な進展があることに、安倍首相は気づかなければなりません。
生活者ネットワークは、地域で粘り強く声をあげてきた草の根市民や、福島の事故を契機に、持続可能なエネルギー政策を実現させることを決意した多くの市民たちと連携して、原発再稼働阻止にむけて行動していきます。