住民軽視で進める「外環の2」事業は見直すべきだ①~決算特別委員会の質疑より
都議会で2013年度決算の特別委員会が開催されています。私は各会計決算の第3分科会での審議に加わっています。第3分科会は労働、産業、市場のほか都市整備、港湾、建設、環境などの部局が所管する事項を扱います。
15日の「都市整備局」の審査と20日の「建設局」の審査で、私は「外環の2」について2回、質問しました。都市整備局には、沿線自治体で開かれている「話し合いの会」について。建設局には「外環の2」整備事業の進捗と今後について。
「話し合いの会」に関する質問の内容は下のとおり。最後に「とってつけたように」答弁を求めた下線部が質問部分です。
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外環の2は、1966年、外環本線が高架道路として都市計画決定されたのと同時に、高架部分の真下を通る地上部道路として都市計画決定されたが、沿線住民の間に建設反対の運動が巻き起こり、1970年、当時の建設大臣が「凍結発言」を行い、放置されていた。
しかし99年、当時の石原都知事が「地域環境の保全やまちづくりの観点から、自動車専用部の地下化案を基本として計画の具体化について取り組む」と表明し、動き出した。知事は、2006年4月の定例会見で「地下工法でやるので地上に暮らすみなさんは安心してもらいたい」と発言。翌2007年、東京都は外環本線の地下式への都市計画変更決定を行った。
都知事の発言から、地下化が住民の立ち退き負担を軽減するためであることは明らかである。
現在までの住民参加の取組みとして、都は沿線区市ごとに外環の2に関する話し合いの会を開催してきた。これについて都は2008年、「地上部街路の必要性やあり方などについて、広く意見を聴きながら検討を進め、都市計画に関する都の方針を取りまとめていくこととしています。検討に当たっては、外環本線について話し合う場とは別に、地上部街路に関する話し合いの場において、地元の皆様との話し合いを行ってまいります」としている。
練馬区間では、2011年8月26日に開かれた6回目の話し合いの会をもって終了したとされ、現在、都市計画の変更手続きを進めている。一方、武蔵野市では今年8月21日に第19回、杉並区では今年8月28日に第11回目の話し合いの会を開催し、また、三鷹市ではまだ1回も開催されておらず、自治体ごとに進捗がまったく異なっている状況だ。
ひとつの事業でありながら、区間によって「必要性やあり方」などについて対応の異なる場合、一部とはいえ練馬区間の都市計画の変更手続きを進めることは、いま現に進行している住民の議論を軽んじているとしか考えられない。話し合いの会について、昨年度の取組み状況と今後の取組みについて伺う。
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そしてこれに対する答弁の要旨は次の通りです。
外環の2については、検討のプロセスを明らかにし、話し合いの会等を通じて広く意見を聞きながら検討。
練馬区間については、昨年度、広く意見を聴く会とオープンハウスを計12回開催した上で、本年5月、幅員を縮小する方針を定め、11月開催の都市計画審議会に付議。
練馬区間以外の区間については、昨年度、杉並区で3回、武蔵野市で4回、話し合いの会を開催。引き続き、検討のプロセスに基づき、話し合いの会等を通じて広く意見を聴きながら検討。