「原発ゼロ」アクションが政治参加の文化をつくった
9月19日未明、ついに安保法案が国会で可決・成立してしまいました。政権与党のきわめて卑怯な、そして暴力的な方法で、負の歴史を刻んだ日、日本の憲法 と民主主義が踏みにじられた日として記憶にとどめなければなりません。
し かし、法案が国会に出されて以降の、老若男女を巻き込んだ反対運動のかつてないほど大きなうねりができたことに、希望を見ることができました。ごくふつう の人、特に若者、子どもを持つ若い母親など、これまでサイレントマジョリティーの中に埋もれていた人たちが、初めて、デモという形で政治的メッセージを発 信する側に立ちました。民主主義の歴史上、のちに教科書に載るような事件だと思いますが、そのベースには反原発・脱原発アクションの経験が文化をつくってきた、という事実があることを見逃すことはできません。
この原発問題と安保法制問題はセットです。そして同じ問題をはらんでいます。
あまりにも民意とかけ離れている国会の状況、民意が反映されない議会の構成になっていること。そして、一握りのトップが富を回し続けるために、あるいは一部の国の歓心を買うために、人の命とくらしが犠牲になってもいい、仕方ないことだとされてしまっている、という問題です。
今年8月、川内原発がついに再稼働されてしまいました。地震、津波のリスクに加えて、火山だらけの九州で、火山がいつ噴火するかわからないというリスクを抱え、事故がおきた場合の避難計画もない状態で、営業運転がされています。
さらに高浜、伊方と再稼働に向け、政府は着々と準備を進めています。彼らがなぜ、そんなことができるのか。それは、国民の多くにとって原発問題への関心はもう風化している、と高をくくっているからです。
今回の安保反対運動で立ち上がった若者たちについて「寝た子が起きた」と言われました。しかし国会で決着したことで今後は「また寝る」、と自民党から声が出ているそうです。なんと人を見くびった物言いでしょうか。
安保も原発も、私たちはもう寝ない。原発ゼロと本当の民主主義を獲得するまで、絶対に、その声を緩めない、そのことを多くの人と共有したいと思います。
そしてさらにいえば沖縄の基地問題も、実は同じライン上にあって根っこは同じです。3点セットであって3つは切っても切れない関係、と私は考えています。
原発、安保、基地問題。この解決のために地域から行動することをやめない、とあらためて強く決意しています。