日本で搾取される子どもの性と人権を高校生と考える

9月24日のソーシャルジャスティス基金が主催するアドボカシ―カフェ、「売買される日本の子どもたち」というタイトルから目が離せなくなっていました。この日本で…子どもが売買?

 それは、「子どもの性的搾取」がテーマでした。あふれる性的情報、性産業がすぐそこにある日本の社会状況で子どもたちが容易に商品として消費される今日。強制的な労働や売春などの性産業に就かせることを目的とした人身取引―。この問題を考えようという企画です。

 この日の主役は、そういう子どもたちに寄り添い救済・支援活動に取組むNPO、人身取引被害者サポートセンターLighthouse(ライトハウス)と、この活動に共感し学校のクラブ活動で人権問題の啓発に取り組む横浜インターナショナルスクールの高校生たちです。

 ライトハウスの広報・アドボカシーマネージャー、瀬川愛葵さんのレポートがショッキングでした。子どもが買春や児童ポルノの被害を受ける事件が日本で増えているといわれますが、警視庁の2014年版資料でも児童の性的搾取被害は年間5,000件以上あり、その半分は12歳以下というのです。

 そして12歳以下の児童ポルノの75%が強制わいせつ、強姦などによるもの、という。先週17日に視察で訪問した東京都子供家庭総合センターでも、数には表れないが子どもへの性的虐待が増えている実感がある、と報告を受けたばかりです。低年齢化と数の増加が深刻です。

 これら低年齢児の問題とは別に、「JKビジネス」といわれるような十代の子どもが巻き込まれる問題は、子どもを買う大人よりも被害者の「自己責任」として突き放す風潮が解決を遅らせています。なにしろ日本は先進国中で唯一、国連の人身取引議定書に批准していません。海外からは当然厳しい目を向けられています。

 ライトハウスは、被害にあった子どもたちの相談を受け、救済・保護する機関につなげるなどのほか、セミナーや講演などを通して啓発活動を行っているNPOで、SJFの助成を受けた団体です。横浜インターナショナルスクールとは出会いからクラブ活動へと発展しましたが、日本の普通高校からは講演依頼がないそうです。ああ…やっぱり。 

瀬川さんも若い女性ですが、被害者と同世代の高校生たちが、深刻な社会問題を若い感性で受け止め真剣に議論する姿がすてき。都立高校生にもこういう機会があればいいのに、と心底思いました。