帰宅困難者対策、民間事業者の受け入れ促進を ~予算特別委員会の質疑より4
東京都は帰宅困難者の数を517万人と推計し、帰宅困難者対策条例に基づき対策を強化しています。2月8日、都が千代田区と合同で実施した訓練では、JRや私鉄などの鉄道関係者も多くの民間事業者とともに参加し5,000人規模となりました。
この訓練は大地震を想定し、都心で勤務する人も多い千葉、埼玉県とも連携して、高齢者や妊婦など「要配慮者」対策なども行われています。実際の取り組みを質問しました。
今回は東京都、飯田橋駅など千代田区内の駅周辺5地区において、各エリアの地域協力会や事業者等と協力し、鉄道事業者による駅の利用者保護、地域協力会による情報提供ステーションの運営、民間事業者による一時滞在施設の開設・運営、高齢者や妊婦の体験セットを装着した要配慮者役の船等による搬送など、各事業者が持つ特性やノウハウを活かした訓練だった、とのことです。
一方で、事業者からは被災者の受入れが難しい状況と聞きます。その理由として、民間事業者から、災害時に避難者を受け入れるためのスペースや、対応するための要員不足が課題としてあげられています。
このような課題の解決に対する都の見解を問いました。
都としても、都内事業所に対する調査により、災害時に帰宅困難者を受け入れることが難しいと回答した事業者が4割を超え、その理由として、受入スペースや備蓄、人員などの制約があることを認識していました。
そのため都では、2015年度から、一時滞在施設の設置者に対する備蓄補助の対象品を見直し、利用しやすくするとともに、帰宅困難者の受入れに付加的に必要となる備蓄倉庫等の整備費用の補助を開始したとのことです。
また、「今後とも国や区市町村、事業者団体等と協議を進め、事業者の理解促進に向けた普及啓発を行う」として帰宅困難者対策への前向きな取り組みを約束しました。