舛添知事ついに辞任① 本人は事実語らず百条委員会は見送られ
辞める前に事実を語るべきだった
都議会第2回定例会は、舛添要一知事の一連の公私混同、公金の私的流用問題などが発覚したことでその追及にほぼ費やされ、完全に空転状態となりました。
代表質問、一般質問では登壇した全会派がこの問題を真っ先に取り上げました。これに対する知事の答弁は、記者会見や所信表明で述べたこととまったく同様に、さらには総務委員会の集中審議においても謝罪と反省に終始し、肝心の疑問点については珍妙な言い訳で取りつくろうだけで具体的な説明を何ひとつしませんでした。
高額の海外出張、公用車の不適切な使用に続いて、政治資金の私的流用もつぎつぎと明るみに出ましたが「問題ない」「ルール通り」と言いつのり、政治資金の使途について、道義的な判断は弁護士に丸投げ。その結果「不適切ではあるが違法ではない」というお墨付きを引き出したことで都民はかえって反発を強めました。
寄せられた苦情が3万件を超えた都庁は機能不全に陥りました。都民の政治家不信、政治不信を著しく増幅させてしまった罪は重いと言わなければなりません。辞める前に事実を語るべきでした。
百条委員会提案も否決に
都議会は、都民に対し真相を明らかにするため、知事が辞任したとしても、議会の権能を使い調査をすることが必要です。都議会生活者ネットワークは他会派とともに百条委員会の設置を提案しましたが、反対多数により否決となってしまいました。
これでは都民に対し議会が真相解明を放棄したととられても仕方ありません。
度重なる外遊について「都市外交の成果を見てほしい」と知事は胸を張りましたが、全ての都民が「世界一の都市」「史上最高のオリンピック」を求めているのではありません。もっと足元の子育てや介護などの問題にこそ目を向けるべきだったのです。