豊洲「千客万来」、盛り土なしで地下2階はOKなのか ~10月都議会一般質問より③
豊洲新市場の敷地内には、民間が運営する「千客万来」という商業施設の設置が予定されています。買い物や飲食もでき観光客を呼び込むことが期待される施設ですが、その用地の安全対策に首を傾げたくなるような状態であることが図面上からわかりました。
「千客万来」施設用地の土壌汚染対策工事は、発注時の図面では、6.5mまでの盛り土があることとされていますが、完了確認の報告図面では盛り土がなくなっています。ところが奇妙なことに、民間事業者への引き渡し条件は、盛り土があるものとされ、盛り土の有無が図面上で二転三転しています。
ここは地下2階建ての計画となっていますが、土壌が汚染された土地に「地下ピット」でも「モニタリング空間」でもない堂々たる地下フロアを設置しても大丈夫なのでしょうか。不特定多数の観光客が利用する場所として、安全上問題がないのでしょうか。
その建設仕様・設計については、土地の履歴からの制約がおのずからあるはずです。「地下は使用しない」という制約のもとで建設計画がなされるよう、都は説明する責任があったのではないか。
建設工事にかかろうという現在の地盤高はいったいどうなっているのか。それを掘って地下室を2階分つくることになるのか。中央卸売市場長に質問しました。
答弁は「敷地の引き渡し地盤高は、AP6.2メートル程度」といい、千客万来施設の公募時の施設整備条件は、「生鮮食料品を取り扱う市場とは異なる民間商業施設であることから」土壌汚染対策法等に基づき適切に処理することとなっている、とのこと。
さらに「市場に隣接していることから」地下水管理システムの設置・維持管理を妨げることのない方法とする、などとしていたとのことです。そして、地下2階を有する施設計画は公募時に事業者から提案された、と言います。「現在、事業者が設計を進めており、都と事業者の間で具体的な内容に関する協議を行っている」と市場長は答えましたが、なんだかよくわからない説明です。
「民間商業施設だから」、「生鮮食料品は扱わないから」他の施設と同様の土壌対策は不要だし地下2階でも問題ない、という。でも図面で見ると、盛り土があったりなかったりしている――。この状況に対し、市場長の答弁では説明になっていません。