消費者教育の充実に都は支援を ~11月22日の文教委員会<生活文化局>事務事業質疑より③
東京都消費者教育推進計画が2013年に策定された当時、子どもから高齢者まで、あらゆる年代を対象にライフステージごとの細かい消費者教育の取組みが計画されたことを評価し、その後に期待をこめて一般質問で取り上げました。
生涯にわたって消費者被害にあわないようにするためには、子どものころから、金銭管理や食品表示、情報社会におけるモラルやリテラシーなど、基本的な消費者教育が求められます。子どもを対象とする取組みは学習指導要領に基づき学校教育で実施することになっていますが、先生たちは現場の忙しさに追われ、また現実にどのように取り組めばいいのかわからない、と戸惑う声もあります。
東京都消費生活総合センターでは、学校における消費者教育を支援するため、教員向けの「消費者問題教員講座」を夏休み期間に実施するほか、年代に応じたWEB版の消費者教育教材や指導用資料、ワークシートを作成しています。学校の希望に応じて「東京都消費者啓発員(コンシューマーエイド)」を派遣し講座の実施などもしているとのことです。
未成年者の中には、スマートフォンが広く普及し、オンラインゲームやアダルトサイトに絡んで金銭トラブルに巻き込まれるなどの消費者被害にあうケースが増えています。若者をターゲットにするマルチ商法の被害も後を絶ちません。
社会経験が乏しい若者世代を対象とする普及啓発も重要であり、都は、大学の新入生ガイダンスの機会に悪質商法の手口と対処方法について出前講座を実施し、若手芸人を起用した漫才・コントによる普及啓発にも努めているのだそうです。
消費者教育で取り組むべき課題は社会の動きによって変化するので、そのときどきの教材づくりや情報提供など、引き続き学校への支援が求められます。また、NPOなどが消費者教育の出前授業を行う場合もあると聞きますが、これに対する交通費の支援などは全くないそうです。今後、都が支援を検討するよう求めました。