3月22日の文教委員会の質疑より③ ~「放課後のない」三部制高校の問題
昼夜間三部制の高校では、生徒が放課後、教師に何か相談したいと思っても、1部・2部の生徒にとっては自分の教室がすでに次の部の授業で使われているため、その場所がない、という問題も生じています。
敷地も建物も狭い荻窪高校では、場所が足りないため廊下で昼食をとる生徒がいたり、三部合同の行事を実施するときにホームルーム教室が確保できなかったり…の声も聞いています。このことについて質問したところ、三部合同行事の際は「特別教室や会議室などを活用して対応している」と都教委は言います。
昼食時の対応については、「普通教室と食堂を活用しているが広さが不十分」と認め、「必要な部屋を確保していくことを検討していると学校から聞いている」とのこと。改善が図られるのはけっこうなことというものの、荻窪高校は施設の狭あいさによる課題を多く抱えています。
荻窪高校は、古くは高等家政女学校が前身校であり、文科省の基準をかろうじてクリアする程度の広さしかありません。その後は全定併置校となりましたが、全日制は学年5学級、定時制は2学級で、普通教室が15クラス分しかない校舎であり、ここに三部制の課程を導入したことに無理があるのではないでしょうか。
ほとんどの生徒が、「3年間で卒業できる」3修制を希望しているため、生徒が集中する一部の時間帯では教室が足りない状況です。都教委は夜間定時制高校の統廃合をすすめる理由のひとつに「全定併置校の矛盾を解消する」ということをあげ、夜間のニーズへの対応策として三部制定時制を増やしてきていますが、荻窪高校のような狭い校舎では教育上の問題が生じています。
放課後は、教育活動の時間として位置づけられていませんが、成長過程にある生徒にとって、学校生活における放課後の時間は大きな意味を持つものです。教師にとっても、放課後のない状況が情報共有の妨げになっていないか、検証する必要があるのではと考えます。
以上、指摘し、夜間定時制の閉課程方針について再考を促しました。