3月22日の文教委員会の質疑より⑤ ~高校入学時の費用負担対策に都は知恵を絞れ
高校入学の際にかかる経費としては、制服以外に教科書などの図書、授業で必要な学用品、かばん等の通学用品や通学定期などの購入費のほか、学校が徴収する修学旅行費の積立や、学校の教育内容に伴う実験実習材料費などがあります。
また、生徒によって課外の部活動等で使用する運動用品や楽器等の購入費がかかる場合もありますが、学校や生徒の学校生活によってさまざまであり負担経費の金額は一様ではありません。
小中学校では約2割の子どもが就学援助の対象となっており、区市町村の中には対象世帯に小学校から中学校に進学する際、制服や運動着などにかかる費用を4月に前倒しで支給しているところもあります。高校でもこのような支援策が必要です。
ところが高校の奨学のための給付金制度は、支給されるのが7月の給付認定以降なのです。毎年4月に、高校入学に関する費用が払えないという声を聞きます。子どもの貧困対策が都政の重要課題となっている今、この事態を解決すべきであり見解を問いました。
都教委は「生活保護受給世帯については、生活保護により継続的に支給される生業扶助のうちの高等学校等就学費により、入学準備金や通学費なども支給される。しかし一方、奨学のための給付金は、認定手続きをふくめ、国の制度に基づき実施しているため、支給時期を7月から4月に変更するには、国の制度を変更する必要がある」と言います。
だったら国に要望すべきですが、「都立学校への進学の場合、義務教育段階の中学校進学とは違い、入学選抜を経て入学を決定するため、日程的に対象者の認定を行う期間を確保することが困難であることから、国に対して制度変更を要望する考えはない」との答え。
都立高校生の24%は小中学校で就学援助対象にあたるという状況にあって、毎年入学時に保護者から同じ訴えがあがることに大変胸を痛めています。子どもの貧困対策として、福祉保健局では、学習支援などの事業を展開しています。教育庁としても、福祉保健局と連携し、この事態を改善することができるでしょうに、と考えます。
義務教育ではないというもののほぼ全員が高校に入学する今日、こうした若者をむしろ積極的に支援することに、知恵を絞るべきだと思います。