【2025都政に挑戦】③ 「ひとりでも孤独じゃない」

学習会「これでいいの?改正地方自治法」1/25 左から奥田雅子、小松久子、講師の坪井ゆづるさん(元朝日新聞論説委員)、そね文子

高齢社会はひとり暮らし世帯が多い社会、そして高齢女性が多い社会です。 いま東京都では半数近くがひとり世帯となっており、その約7割が女性。「ひとり暮らしの高齢女性が安心して暮らせる」 ための対策が必要だということです。

とくに貧困の割合が高いことは見逃すことのできない問題です。日本の社会は歴史的にあまりにも男性中心に傾き、男性基準で制度や施策がつくられ、また税や社会保障の制度は個人でなく世帯単位で設計されています。もはや実情に合わなくなっていますが、それが高齢女性の貧困につながっていることが見過ごされているのではないでしょうか。高齢者の問題もジェンダーの視点で見ると、日本の制度の難点が明らかになってきます。

加えて、高齢社会を支える重要な柱であるはずの介護保険制度は、介護の社会化どころか家族介護へ逆行させるような改悪が進み介護離職が増加、女性の貧困がさらに深刻化するという悪循環に陥っています。

高齢社会は認知症になる人が増えていく社会でもあります。65歳以上の6人にひとりは認知症の有病者、というデータも。認知症は病気なのでだれがなっても不思議ではないのに忌避されてきましたが、昨年施行された認知症基本法は「当事者が尊厳を保持しつつ希望をもって暮らせる社会をつくる」として「新しい認知症観」を提示しました。

認知症になっても自分らしく、高齢でひとり世帯でも孤独ではなく、地域の中で他者とつながり交流し、安心して暮らせる――。具体的には自宅から歩いて行ける居場所、気軽に困りごとを頼める相手、なんでも相談できる窓口…など。生活者ネットワークの仲間たちは実際にこうした地域づくりを実践していますが、必要なのは東京都がそのような地域の取組みを後押しすることです。そしてそれが、私のつくりたい東京の未来です。