ぶたのミニコミ『子どもとゆく』はゆく

本になった「子どもとゆく」人びとへのインタビュー

「あのときの出会いがその後の自分を変えた」と思えるような出会いが、誰にもあるものだと思います。ほとんどの場合それは「人との出会い」なのでしょうが、私にとってミニコミ誌『子どもとゆく』との出会いは、それに相当すると言えます。

息子が小学3年だった1985年、PTAにかかわっていた私は、活動から見えてきた子どもを取り巻くいろいろな社会問題を前にして「大まじめに」悩んでいました。新聞をにぎわすような「校内暴力」も「登校拒否」も、いつ身近に起きても不思議ではないと思え、すこしでも解決に近づくにはどうしたらいいのだろう、何ができるのか?という疑問に対する答えを捜し求めていました。

そんなとき新聞で「大人と子どもの『共育』を探る月刊誌、創刊」の記事を見つけ、以来19年間『子どもとゆく』の読者です。

ほぼ新書版サイズで基本的に全部横書き、表紙には必ずぶたの絵、全48ページという体裁は19年間変わりません。子どもに直接ふれる仕事についている人、あるいは地面にはりつくような暮らし方を実践している人、などの常連による日記風コラムと、ゲストへのインタビュー中心の構成も同じ。そして変わらないのは、いつも子どもを切り口にしながら、世界を見ようとする姿勢と、目の配り方。

現場で過激に運動を繰り広げる人も日々淡々と暮らしに向き合う人も、肩の力を抜いてゆるやかにつながっていける。そういう希望を、この小さなメディアは毎月届けてくれました。この11月でそれが200号を迎えるというので、これまでのインタビューからピックアップしてまとめたものが最近本になりました。

写真ではわからないかもしれませんが「なにより大切なのは 子どもが元気で 楽しくいること」と表紙にあり、この本のコンセプトを語っています。
もしよかったら、一度手にとってみませんか?