だからもういまさら何を言っても遅いのです。そうとわかっていますが、新設中学で使う教科書が選定される前、8月に2度、都教委に「『つくる会』の扶桑社版を採択しないで」と要請し、願いかなわず採択されてしまった当日にコメントを発表して以降、黙っているのはどうにも私たちの気持ちが納まらないので、新委員長が就任したこの機会に三度目の要請をすることにしました。「私たち」と言うのは白鴎高校の卒業生有志の集まりのことです。(この経緯は8月に書いたのでバックナンバーを参照ください。)
11月2日、都教育庁に5人の卒業生が出向いて、今回の教科書採択に対する抗議と再検討の要請を内容とする、木村孟委員長にあてた文書を提出しました。私はあいにく不参加でしたが、各人は思いを伝えてきました。
先日催された秋の園遊会での米長邦雄教育委員と天皇の会話が波紋を広げています。天皇の返答に「ああやっぱりね」と共感した人は多かったはずです。都教委のしてきたこと、今していることが強制でなくてなんでしょう。都立中学の教科書採択もその延長線上にあることくらい、だれにだってわかります。
このような天皇の発言は異例のことで、「発言に政治性はない」とされ、公的な扱いともされないようです。しかし米長氏は教育委員としての発言であり、委員の任務をまったく取り違えているとしか思えない内容です。任命した石原知事の米長発言に対するコメントはありません・・・。
(写真は「子どもの権利条例東京市民フォーラム 4周年記念集会」で、堀之内敏恵さんと)