「妻は家庭」と都市農業

そのココロは「東京インディケーター」

内閣府が04年12月に実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきか」という問いに対する回答は、反対48.9%、賛成45.2%の割合です。79年にこの調査を開始して以降初めて賛成と反対が逆転した、としてニュースになりました。

逆転といっても、半数近くが「妻は家庭に」と答えているのは多すぎる、と感じる人も多いのでしょうが、この流れはもう変えられないと考えて間違いではないでしょう。そこで、たとえばこの数値を30%までに減らすことを、望ましい東京にするための活動目標としてみたらどうだろう、と思いつきました。

東京・生活者ネットワーク「新春の集い」で関西学院大学教授、村尾信尚(のぶたか)さんの「東京インディケーター」をつくろう、という講演を聞いて以来、何を指標にしたらよいか考えることが私にはちょっと楽しみになっています。

インディケーター(indicator)とは、標識や指標のことで、この場合「東京のしあわせ指標」と言い換えてもよさそうです。すなわち政策。村尾さんの講演はこれを市民・納税者の立場で設定することの提案です。

都市農業を守るために、東京産野菜の収穫量を○年間で△%増やす、なんていうのはどうか。あるいは都内の農業者の平均年齢を□歳下げる、とか。-——とにかく、数値化できる指標にするのです。結果も数値で表せば達成度もわかりやすいわけです。

この日のお話でもう一点印象に残ったのは、「普通の人が政治の世界に飛び込んでいけるようになるべき」ということです。命がけで政治をやろうとするのではなく、まず普通の人としての生活があったうえでの政治のほうが健全だし、思い切った改革ができるのではないか、と村尾さんは言います。

これこそ生活者ネットワークが実践してきたこと。とてもほめられたような気になって、元気づけられました。