地層は地下水の容器(いれもの)

地質学者・羽鳥先生に杉並の成り立ちを学ぶ

9月4日に杉並を襲った水害は、ふだん近くにありながら存在を主張することのなかった「川」があるとき突然水量を増し、日常生活を壊してしまうほど恐ろしい生き物に変容しうることを気づかせました。

地質学者・羽鳥謙三さんを呼んで「武蔵野の成り立ちと水環境を、杉並中心に学ぼう」と企画した学習会のお知らせを区の広報紙に載せたところ、それを見て参加した人には「9月の洪水がなぜ起こったのか知りたい」と思った人が何人もいたようです。

「善福寺まちづくりの会(善まち)」と「杉並みずみち調査会(みずみち)」が合同で開いた10月8日の会には、川、池、湧水、まちづくり、などに関心を持つ90人もの参加があり、地味なテーマなのに予想以上の反響で驚きました。

「善まち」と「みずみち」は、それぞれ杉並区の西北部と南西部のエリアに残存する、合計102の井戸の水位と水質・水温などを定期的に調査し、大まかですが地下の等水線図を描くなどしており、この日はその活動報告もしました。

なぜ井戸の調査なのか。守るべき自然環境の本来の姿を知るのに、地下水の調査はとてもよい方法だと思います。地面の下のどこを、どんな水が、どんなふうに流れているのか、それは季節によってどう違うのか、井戸を調べることで解き明かし、環境保全につなげるのがこの活動の目的です。

でも地下水を知るには「地層」を知らなければ。なぜなら「地層」はその「いれもの」だから、というわけで羽鳥先生のお話を聞くことになりました。

水害については今回の区議会で生活者ネットはもちろん、全会派よりあらゆる面から質疑がされ議論されたと思っていましたが、地質・地層から、川や土地の成り立ちから原因の説明がされたのは初めてです。今後の対策を講じるうえで重要な視点だと考えさせられました。

写真は
①水やみどりに関心のある大勢の参加者
②羽鳥謙三先生、石川孝織さんと