人間が自然と関わる営みとして、農業のもつ教育的側面が見直され、農業体験、農業者との交流など、杉並でも学校教育に取り入れられていますが、食育の一環として位置づけさらに強化するよう、質問では求めました。
農水畜産・加工品などをふくめた生産、または食材を選ぶ段階から、それをどう調理し食べるか、さらにはその間に生じたごみの廃棄までを含めた循環のなかで食をとらえ、食育を環境教育として考えることが必要です。
NPO「コミュニティスクール・まちデザイン」の出前授業は、参考になる例です。小中学校に出向いて行う食の講座「私の食が世界・地球をつくる」は、「目の前の食べもの」の向こう側を考えて、一人ひとりの食べ方から日本の国のとるべき方向まで、広い視野で考える教育プログラムになっています。
生産地から食卓までの距離に着目した「フードマイレージ」の考え方を取り入れ、地域で生産して地域で消費する「地産地消」が輸送にかけるエネルギーを少なくでき、CO2排出量削減につながることに気づかせる内容です。
食の文化的価値にも目を向けなければなりません。食育基本法で「食文化の継承」が条文化されたことは、特筆すべきことだと思います。食育を通した食文化の再興について、区の所見をただしました。