「教育行政の責任は首長に」・・・(区長)

区議会の質問から③

昨年12月に出された第28次地方制度調査会の報告で、「教育委員会の設置は選択制に」という答申が出されました。これに関連して、教育委員会のあり方についてたずねた部分を以下に抜き出します。

【Q】教育委員会の設置については、選択制の答申が出された後、政府の見送る意向が示され、その後規制改革・民間推進会議が逆に重点検討項目に挙げるなど、いまは賛否が拮抗しています。

私は昨年の定例会で教育委員会のあり方について質問をしたところ、区長より、現状では予算権を首長が担っていることを考えれば、区長部局に教育行政を置いて教育委員会に替わる第三者機関を設置することもあろうか、というお考えをうかがいました。
しかし、教育における政治的中立性の確保が教育委員会の必置の理由であり、決してこれを曲げてはならないし、首長が変わるたびに教育制度が変わっては、被害を受けるのはまさに子どもたちであると考えます。今後の方向性をお聞きいたします。

これに対する区長の答弁は次のようなもの(要旨)でした。

【A】現在の制度は、人事権は都道府県、予算提案権は首長、首長部局にあって、中二階的状況に置かれている。行政機構としても区民への責任という面から見ても、非常にあいまいな制度であると認識している。

首長が教育の権限を握ることが政治的影響を強めるとは言えないと思う。住民から選ばれた首長が責任をもっていくという制度が、一番政治的にもとりやすい。住民自治という観点から見ても、小中学校が区立で行っているということから見ても、選挙で選ばれた民主的な首長が、その政治的責任を、教育行政の責任を負うというのが、論理的にも正しいことだと考えている。

しかしこの問題は国民的議論の中で決定すべきと承知しており、まずは現行の制度の中で、できる限りのことをやっていくという考えには変わりはない。