扶桑社の「歴史」と同じく「新しい歴史教科書をつくる会」メンバーが執筆したこの「公民」教科書は、昨年全国の99.8%の地区が拒否したものですが、そんなことは都教委にとって参考にするつもりはなく、「独自の視点により」高く評価した、ということかと思われます。
白鴎高校の後輩に「つくる会」の教科書はいらない、と考える同窓生たちと「白鴎有志の会」として今年も都教委に要請を行ったことを前回ここに書きました。
他の都立中高一貫卒業生や教科書問題で活動している市民グループからも、白鴎高校・同附属中の教職員からも、「扶桑社を採択するな」「現場の職員の意見に基づいて採択してほしい」などの要請が出されたと聞いていますが、いずれも完全に無視されたことになります。
いま私たちの持てる最高法規である憲法を「改正」すべきものと初めから決めてかかっている点がこの教科書に違和感をおぼえる最大の理由です。「公民」を学ぶテキストとして不適格であるばかりか、憲法遵守の精神に反するのは憲法違反ではないのか、と言う人がいるのももっともだと思います。
「平和主義」の章が自衛隊や防衛政策の記述でほとんどすべてというのも、「基本的人権の尊重」の章にやはり「国防の義務」のコラムがあるのも、変わっているのを通り越して恣意的と考えざるを得ません。
都教委の採択には今回もまた、白鴎同窓の仲間たちとともに強く抗議します。