疑念の第一は、ごみ焼却によって生じた電気を販売して収益を挙げる計画、すなわち燃やすごみが増えれば利益が上がるしくみである点です。各区や都のごみ処理計画でごみ排出量は減るとされ、現に減ってきている事実がありながら、明らかに矛盾します。これで事業として成り立つのでしょうか。
第二は、この新会社の構想が今年1月時点で清掃一組の「経営計画」「経営改革プラン」にないもので、唐突の感がぬぐえないばかりか、退職した職員を雇用する点や売電事業を随意契約で進めようとしている点にも、いわゆる天下りや官製談合とみなされてもやむを得ないのではないか、と考えてしまいます。
にもかかわらず23区は一組より一律520万円の会社設立資金を求められています。今定例会で補正予算が組まれている区もありますが、杉並では今回提案されていません。新会社の設立について私たちの調査で「問題あり 慎重に」と回答した山田区長はこの出資についてどう考えるのか質問しました。
答弁に立った区長は、23区清掃事業の将来にわたる重要な問題であり「性急に進めるのでなく、十分に慎重な検討を行い23区の合意形成を図るべき」。
一組に杉並区は多額の分担金を払っています。昨2005年は24億円余支払い、今年度22億6,800万円が予算計上されています。区民の税金をそれだけ使っているのだから区民の意思が反映されるべきであるのに、区民から見えない不透明な存在であり、一組議会と区議会がまったくと言ってよいほど関連付けられていないなど、かねてより問題が指摘されています。
この点に対して区長は「一組に対し透明性の高い運営を求めていく」と答え、今後の改善に期待をもたせました。