本気でめざそう 自転車のまちづくり

決算特別委員会の議論から ⑥

放置自転車対策などを定めた「サイクルアクションプログラム」が4年ぶりに改訂されました。区内で駅前の放置自転車台数の数値目標は達成状況がよく、そのことは道路交通対策特別委員会で折に触れて報告を受けてきました。

しかしそれは、撤去に人を配置し回数を増やしたからです。区は撤去の経費として1億4000万円費やしたといいます。

確かに、西荻窪も荻窪駅周辺も数年前と比べると見違えるようです。それだけ税金を投入すればきれいになるだろうとは思いますが、さらに高い改訂目標を達成しようとするなら、もっと撤去費用をかけようということなのでしょうか。

そうでなく予算は増やさず撤去のしくみをつくっていく、と区は答えましたが、これまで同様の経費はやむをえないと考えているようです。でも撤去に人とお金を投入し続けることには、これでいいのか釈然としないものがあります。

じつはこの「プログラム」には「自転車のまちづくりをめざして」という副題がついていて、自動車優先社会でなく自転車をもっと利用しよう、とありそのための具体的な計画目標が定めてあるのです。

それなのに年度別目標は改訂前より後退しています。正直言って、これで本当に「自転車のまちづくり」をめざしているのかと疑いたくなってしまいます。

自転車を「環境負荷を与えない交通手段」だとする位置づけが弱いと思います。CO₂排出を削減しようとするなら車の走行を減らすことが不可欠であり、自転車を、道路をふさぐ邪魔者扱いするのではなく、環境先進区だからこその、積極的な取り組みが求められます。

飲酒運転が社会問題になっていますが、交通事故の問題の本質は「飲酒」ではなく「車社会」なのだということを忘れてはいけません。