区の裁量権で障がい者福祉の充実を

区議会第4定例会の質問から ③

今年の4月より段階実施されてきた障害者自立支援法が、10月1日、本格実施されました。応益負担の導入、措置から自己選択・自己決定による「契約」への変更など、障がい福祉施策を大きく変えたこの法は、社会的弱者である障がい者に自己責任を迫る部分があることを否定できません。

しかし、障がいのある人々が地域で自立できるよう、身近な市町村が一元的にサービスを提供するのがこの法制度のポイントの一つでもあり、区の裁量権は大きく、その取り組みいかんで福祉の充実が左右されることになります。

法で義務付けられた行政計画として、区は「障害福祉計画」を作成中。素案が公表されパブコメに付されています。素案の内容に沿って質問しました。

計画の第一に挙げられている相談支援は、ぜひ力を入れてほしい事業です。障がい者や家族が相談しようとする際、電話も含め最初に接する人には的確な対応が求められます。このポストには専門的知見を持った職員が配置されるべきと述べ、区は研修を充実させる考えであると答えました。

「地域での生活の場の確保と支援体制の整備」という項目で、地域での暮らし方として、自宅ではなく、家族から独立して「アパートで暮らす」というケースについて触れられていません。地域で支援を受けながら、見守られて暮らすことができるようなシステムがつくられるべきで、その取り組みについて質しました。

これに対し区は、「24時間安心サポート事業」のなかで、緊急時のホームヘルパー派遣などのほか、一人暮らし高齢者あんしんネットワークの対象を障がい者に拡大することで日常の見守りのしくみを整備すると述べました。