対面での会話が困難な人でも、相手側にほんの少しの知識と理解、工夫があればコミュニケーションを成立させることができる、そのような、話し言葉に替わるツールとして開発された「コミュニケーション支援ボード」があります。
だれにでも分かるような単純な絵を描いたボードを介して、絵を指し示すことで意思を伝えます。これを商店やコンビニ、鉄道の駅などに置いて店員や駅員に使い方を覚えてもらい、活用することは有効だと思います。聴覚・視覚障がい者以外もコミュニケーション支援の対象に位置づけるべきと思います。
障害福祉計画では「入所施設から地域生活への移行促進」や就労の促進などがうたわれ、目標数値が示されていますが、受け入れる地域の基盤整備ができていなければ、この数値は虚しいだけのものです。
重点事業とされる精神障がい者の退院促進は、これまで社会的入院を余儀なくされてきた精神障がい者やその家族の方たちに不安なく受け止められなければなりません。障がいの中でもとくに精神障がい者は、一見しただけでは分からないだけに対人関係で誤解を生みやすく、差別の対象になりやすいといわれ、知的障がい者とならんでほとんどがいじめを受けた経験があるといいます。
保健福祉計画にあるような「障害のある人が自分らしく生きることのできるまちづくり」をめざすのであれば、差別の禁止が前提にあるべきでしょう。千葉県で制定された「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」は、実効性に疑問はあるものの、差別の定義を初めて明文化するなど、差別禁止の理念を地方自治体から全国に向けて発信した意味は大きいと考えます。
障がいのあるあらゆる人に対する差別の禁止、機会の平等を保障する、真のインクルージョンのためのしくみとして、杉並区においても差別禁止条例を作ることをぜひ検討してほしいと求めました。