外環建設の都市計画決定手続きにもとづき、国と東京都が示した変更案に対して杉並区は意見を求められています。提出期限は1月12日。この意見の内容をどうするか、区長の諮問を受けた都市計画審議会で審議が行なわれ、11対6で「提案に賛成」とする採決がされました。
学識経験者委員の石川幹子氏が以前から再三要望してきた、地下水に関するデータ資料がこの日ようやく配布され、国交省の外環調査事務所サイドから説明がありましたが、そのデータがまったく不十分なものであることが石川氏の質疑で否応なく明らかにされたあとでの「11対6で賛成多数」という結果を、いったいどう納得しろというのでしょうか。
都計審として「これでは判断できない。採決不能」と率直に表明する選択だってあったのではないか、とどうしても思えてしまうのです。
ただ、賛成とはいっても議論の流れから「条件付き」ということになったので、その条件に何を盛りこんで区長への答申とするかが次に控える問題です。
暮れも押しつまった27日の審議会は、前回の11日の会議で結論が出なかったため急きょ設定されたものですが、約60人分の傍聴席は人で埋め尽くされました。傍聴に来た練馬・生活者ネットの君垣圭子さんと区議の吉川美佐子さんによれば、練馬の都計審でもあっさりとゴーサインが出されたといいます。
区長名で出される意見書にどこまで厳しい条件が加えられるのか、区として住民の環境に対する不安を受け止め、その思いを代弁して国と都に届けてくれるのか。区の見識が問われています。