何より驚いたのは、投票率84%という高さです。比べるのも恥ずかしいけど4月の杉並区議選の投票率はその半分の42.1%、都知事選では若干ましですが54.3%。それにしても大差があります。
この数が政治への関心度を表しているとすれば、そのちがいはどこからくるのか。結果が確定したあとの人びとのリアクションにも驚きました。右派のサルコジ勝利に抗議する暴動が国内各地にひろがったからです。
車に放火したり店の窓を割ったりすることがいいとは決して思いませんが、東京で都知事選の結果に怒ったマイノリティーの人たちの暴動がなぜおきなかったんだろう、と思わずにいられません。おきても不思議でなかったのに。
政治に対して熱くなれること、エネルギーをぶつける人の多さに羨望の念を抱いてしまったのは私だけではないと思います。8割と5割では民意の重さが違うし、また1票に託した思いの深さの違いも突きつけられた気がします。
ロワイヤル氏が勝てばフランス初の女性大統領が誕生していたことになり、それも世界が注目する関心事だったのは、フランスがはたから見えるほどには女性の地位が高くないことの証でしょう。彼女は希望の星だったのです。
そして今、日本ではどうか。憲法を変えるための国民投票法案を、最低投票率の設定もなく通してしまおうとする動きが進行中です。
国民のせめて8割が投票しなければ決められない、そうでなければ決める意味がない。それぐらいのことが言えなくてどうして変えようとするのか、変えてどうしたいのか、納得のいくような説明を私はまだ聞いていません。