高度浄水処理とは「オゾン接触酸化と生物活性炭ろ過とを組み合わせたもの」で、これによりかび臭ゼロ、「アンモニア態窒素」ゼロの水道水ができるようになりました。15年前から給水が始まって4年後に処理施設を増やし、現在3期目の工事中です。そのため実際に稼動しているところは見学できませんでした。
でも実験を交えての説明を聞き、できた水を試飲して納得。「かび臭い」「まずい」といわれていた水道水がここまでおいしく改善できたことは都民としてはありがたいことで、東京都に感謝しようという気になりました。
浄水場を後にすると、Mさんが「小学校の教員をしていた数年前・・・」と話しかけてきました。「水道水は心配なので水筒にミネラルウォーターを入れて子どもに持たせたい、という保護者がいて職員会議に諮ったことがあったんです。」
教頭が水道の資料を取り寄せて調べ上げ、「いまの水道水はまったく問題がなく安全で、水筒のほうが不衛生になりがち。まして真夏40度近くにもなる教室に置くことを考えるとかえってよくない」という結論に。ところがその保護者に伝えても信じてもらえず、どうしてもと言い張って子どもは水筒を持参していたそうです。
「そういう親にこの施設を見てほしかった」とMさん。「こういうところを見てもらえれば信じてくれたんでしょうに」と残念そうでした。でも「生水はダメ」と信じ込む親の認識不足も問題だけど、当局のPR不足にも問題あるかもしれません。
いまどき水道水を飲んでる人なんていない、といつかの農水大臣が国会で答弁したとき、水道局は「冗談じゃない、いまどきの水道水は安全でおいしいんだ!」と抗議するべきだったのではないでしょうか。胸を張って言うべきでした。
写真 プールのような金町浄水場の沈殿池を見学する 10/26