未成年者を飲酒・喫煙の害から守るというが

なぜ大々的キャンペーンか

未成年の飲酒・喫煙がいいことだとは少しも思いませんが、杉並区が今月1日から実施しているキャンペーンには大きな疑問符がつきます。

12月を強化月間とし、パトロール強化、普及啓発。とここまではいい。でも「区内3警察および新宿少年センターと連携した防止活動」となると、あれれ、未成年を取り締まることに主眼があるのか?という疑問がまずわきおこります。

保健福祉委員会に出された文書によれば、期間中「危機管理室に区民からの通報窓口を設置し、未成年者の飲酒・喫煙事案や事業者等の提供事案の情報を受け付け、警察による補導・取締り、区関係所管部署による再発防止対策等を実施する」とあります。24時間対応できる専用の直通電話が設置されて。

パトロール活動にも力を入れるそうです。でも酒やタバコを未成年に売った事業者が通報されるのはいいけれど、飲酒・喫煙の現場を見つけたらその未成年者を区民は通報せよというのは、密告を奨励しているとしか思えません。

このことを委員会で質問すると、「取り締まるのではなく未成年者を飲酒・喫煙の害から守る」取り組みなのだ、という答えが返ってきました。

では近ごろ杉並で未成年の飲酒・喫煙者が増大しているのかと聞けば、そういうことはなく、区内の中学生の調査ではここ数年減ってきており、しかも全国平均よりも低い値になっているのです。ではなぜ・・・?

未成年者の飲酒や喫煙はgateway drug といわれ薬物乱用のきっかけになることは確かにあるかもしれませんが、20歳過ぎれば合法なのにそれ以前は違法、というのは社会の秩序のひとつとして決めていることであって、未成年の違法行為に対しては教育的配慮が優先されなければならないのではないでしょうか。

本気で未成年者を飲酒や喫煙から守ろうとするなら、自販機が野放しで路上に置かれていることを問題にするべきなのです。夜間のアルコール販売規制や認証制度の導入なんかより、酒とタバコは対面でしか売らない、とすればどんなに効果的かと思うのに。

写真 障がい者の就労キャンペーンのクッキー・手芸品の即売コーナーで 11/30区役所ロビー