冷凍ギョーザのミステリー

「国産偽装」が出ないとよいけど

またしても、食への不信を増幅させるような事件がおきてしまいました。冷凍ギョーザの薬物汚染問題です。しかも今度は、一時は重体になったというほどの健康被害者が出たのだから、「ミートホープ」や「赤福」よりも深刻です。

福田首相が先ごろ国会の施政方針演説で、今年は「生活者や消費者が主役となる社会」へのスタートの年と位置づけ、消費者行政を一元的に進めるため、強い権限を持つ新組織を発足させる、と述べた、その矢先のことです。

中国の大工場で生産されたというので、その工場の製品がすべて回収されることになり、スーパーで撤収されるようすがテレビに映し出され、また「いまから述べる製品がお宅の冷凍庫の中にないか必ずチェックしてください」と前置きしたのち、えんえんと読み上げられる冷凍食品の種類の多いことにも衝撃を受けました。

中国が最近は経済発展により食料輸入国に転じつつあるとはいえ、日本への輸出量がまだ膨大だということは知っていましたが、中国の生産現場で農薬の管理がずさんらしいと伝えられ、これは大変なことになる、と思いました。

最初の被害が出たのが1か月も前なのに軽微なミスで情報が伝わらなかったり、生産工程がなかなか明らかにされなかったりで、「だから生産履歴がたどれることが重要なんだ・・・いつも言ってるのに!」と意を強くしていたのですが。

汚染が、生産過程というより製品になって袋に詰められた後でおきたようだということになり、ミステリーの様相を呈してきました。事故か、故意によるものか?

でもこれがきっかけで「中国産は危ない」という風潮が誇大に広まると別の事態も予想されます。私が心配しているのは、中国産を隠して「国産」と偽るケースが出てきやしないか、ということです。こうして疑心暗鬼になるのもいやですけど。

写真 地域協議会 新年交流集会で(1/12)