土日開庁 決める前に区民に聞いてほしかった

予算特別委員会の議論より ①

杉並区では9月からの土日開庁に向けて準備が進んでいます。「24時間365日の区役所サービスを」ということですが、休日開庁を希望する声を、私は聞いたことがありません。また区のほうも区民の意向調査はしていません。

足立区ではいま日曜日に開庁していますが、その前に休日開庁についてモニターアンケートを行っています。「社会全体の営業時間延長は当然の流れ、進めるべき」とする意見は47%ですが、土日開庁と事務費増大の関係については、「経費が増えるなら現状のままでよい」という意見が46%、ほぼ同じです。

杉並区の場合、証明書の自動交付機、駅前の区民事務所、平日の夜間業務7時から23時までの電話サービスがすでにあり、そのうえ本庁の土日開庁。これら全部をやろうとしています。ほんとうにこんなに必要なのでしょうか。

役所1階の一部分で業務がすむように改修するための費用」として8,641万円計上されていますが、もちろんほかに運営経費がかかります。09年の経費として試算されているのは年間1億円、人件費を除いても4,000万円です。

足立区の調査結果からもわかるように、「サービスがほしいですか?」と聞けば「ほしい」という、だがコストがこのくらいかかるが、といえば、「では今のままでいい」と答えるのが納税者というものです。杉並区民にもぜひ聞いてほしかった。

役所が率先して省エネを進めなければならない現在、また子育て中の職員には育児時間の確保をというときに、光熱費はかかる、コストはかかる、職員の負担は大きい、しかも区民が要求したわけではない、という土日開庁を実施することは正しいのか。

区民がほんとうに望んでいる五つ星とは何か、区には考え直していただきたい。事業の必要性からいえば、保育事業や小児科医療、障がい者の地域生活支援などのほうがよほど優先度は高いはずです。

休日開庁をいったん始めてやめた自治体もあります。1年ごとに検証して3年でやめる、という判断もありえます。あるいは平日の1日か2日、夜10時まで開ける。土日はなし、で十分だと思います。

写真 東京・生活者ネットワーク定期大会で杉並の代議員と 3/1