自治基本条例の特徴のひとつは、これによって市民参画が広がる、ということ。意見提出数の経年変化データからは、それが読み取れませんでしたが、公募委員の枠と実際の委員の数は明らかに増えたことを示しています。
公募委員制のある協議会、審議会や懇談会は、H14年に46機関中11、23.9%で委員数119人だったのが、H19年は9月までで89機関中25、28.1%で委員数243人と大きく増加しています。
ただ、気になるのは応募者が委員枠より多かった場合の選び方です。ほとんどが作文、論文審査ですが、審査の過程が見えず、公明公平性の点から課題があると思います。区の考えを求めましたが「適正に行っている」と答えたのみ。
恣意的ととられないための改善策として、機関によっては応募者全員を採用する、あるいはくじ引きはどうでしょうか。応募条件に作文を課した上で、男女比、年齢を加味するなどし、公開でくじを引けばだれもが納得できると思うのですが。
委員の位置づけもですが、機関のメンバー選定をいうなら、学識経験者の選び方がもっとも重要です。議論の方向性をリードするだけでなく、答申や最終報告書をまとめる際の影響力は大です。有識者にだれを入れるかでまったく違う結論にもなる。それなのにどのように選ばれるのか区民には見えません。
とはいえ、どういう選び方をすればだれもが納得できるのか、名案はありません。せめて、選んだあとでもよいから、単に肩書きだけでなく、その人の学問的業績や専門分野、著作があればその紹介などの情報を示すべきだと思います。